リスキリングのための補助金を探している人必見!個人向けの支援5つをわかりやすく紹介します
「リスキリングってよく聞くから興味はあるけど、お金がかかるんじゃないかな…」
「資格を得るために講座を受けて仕事につなげたいけれど、補助金ってどれくらい出るんだろう…」
リスキリングや学び直しに興味はあるけれど、こんな悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか?
わたし自身も、スキルを身につけるために講座を受けたり本を買ったりします。
そのたびにお金がいくら必要なのか、つい気になってしまいます。
しかし、心強い味方がいます。
政府はリスキリングのための訓練を後押しすべく、さまざまな補助金や支援制度のしくみを整えてくれているのです。
この記事では、
- リスキリングへ取り組む皆さんを助ける支援制度を5つ
- それぞれの支援制度で対象となる講座
- それぞれの制度を使うことで受け取れる補助金や支援内容
を分かりやすく紹介します。
この記事を読んで支援制度をどんどん使い、リスキリングの流れに乗り遅れないようにしましょう!
リスキリングとは何か?
リスキリングとは、新規事業を進めたり経験したことのない業務に関わるときに必要となる技術を身につけることを指します。
単に新しい技術を得ることや知識を学ぶことは、リスキリングとは呼ばず、学び直しと呼ぶことも多いです。
リスキリングと学び直しの違いの例を紹介します。
- リスキリングの例:
自社で顧客データを分析し営業活動に活用することが決まった。
この業務に携わるために、データ整理や分析の手法を学ぶことになった。 - 学び直しの例:
今のところは英語での会話や文書作成ができない。
将来もしかすると英語のスキルが必要になるかもしれず、英会話レッスンに通うことにした。
経験したことのない職務や新しい事業に関わるために必要となる技術を身につけるのが、リスキリングの特徴です。
しかし、リスキリングも学び直しも、将来よりよいキャリアパスを得るために行うものですよね。
この記事ではリスキリングと学び直しはあまり区別せず、個人が使える支援制度にはどのようなものがあるのかを紹介していきます。
リスキリングのために補助金を受けたい個人向けの支援5つ
将来のためにリスキリングや学び直しをしようと思った際に、まず心配になるのは「いくらお金がかかるのだろう?」という点ですよね。
政府はリスキリングを推し進めるために、個人向けにさまざまな補助金や支援の制度を整えています。
ただ、ネットで調べてみても、「政府の制度は難しくて、よく分からないなあ…」と途方に暮れる人が多いのではないでしょうか。
この記事では、リスキリングのための政府の支援制度5つを分かりやすく紹介します!
【リスキリング支援制度1】 専門実践教育訓練のための教育訓練給付金
専門実践教育訓練は、労働者の特に中長期のキャリア形成につながる教育訓練をさします。
対象となる講座
対象となる講座は例えば、次のようなものがあります。
- 第四次産業革命スキル習得講座(AI、クラウド、データサイエンスなどの分野)
- ITSSレベル3以上の資格取得を目指す講座(例:応用情報技術者試験の講座、など)。
- キャリアコンサルタントを目指す講座
- 業務をする上で必ず求められる資格取得を目指す講座(例:介護福祉士、看護師、美容師など)。
- 専門職大学院や専門職大学などに入って受ける課程
これ以外にも支援を受けられる資格や試験もあります。
どんな講座が対象になるかをざっと見たい方は、厚生労働省がまとめている講座の種類の一覧を見てみましょう。
また、自分が通うつもりの講座が対象になるかを見たい方は、厚生労働省のWebサイトから「教育訓練講座検索システム」をあたってみましょう。
引用:厚生労働省「教育訓練給付制度」「教育訓練給付制度検索システム」
補助金額
受講費用の50%(ただし、1年間で40万円まで)が、訓練を受けている間6ヶ月ごとに支給されます。
さらに以下の2つの条件をともに満たすと、受講費用の70%(ただし、1年間で56万円まで)が支払われます。
- 資格取得等をすること、かつ
- 訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用されること
【リスキリング支援制度2】特定一般教育訓練のための教育訓練給付金
特定一般教育訓練は、労働者の速やかな再雇用や早期のキャリア形成につながる教育訓練をさします。
対象となる講座
対象となる講座としては、例えば下のようなものがあります。
- ITSSレベル2以上の資格取得を目指す講座(例:基本情報技術者試験の講座など)
- 業務をする上で必ず求められる資格取得を目指す講座(例:フィナンシャルプランナー、宅地建物取引士、など)。
- 短い時間(60〜120時間)のキャリア促進プログラムや職業実践力育成プログラム
専門実践教育訓練と比べて、特定一般教育訓練では支援してくれる講座がさらに広がります。
対象となる講座の一覧表や、「教育訓練講座検索システム」を調べてみましょう。
補助金額
受講費用の40%(ただし20万円まで)が訓練が終わってから支払われます。
【リスキリング支援制度3】一般教育訓練のための教育訓練給付金
一般教育訓練は、労働者の雇用安定や就職を後押しするような教育訓練をさします。
支援対象となる講座
一般教育訓練によって支援される講座は、特定一般教育訓練で対象となる講座に加えて、以下のようなものも含まれます。
- 情報関係の資格取得を目指す講座(例:ITパスポート、など)
- 事務関係に関する資格取得を目指す講座(例:マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)、英検、TOEIC、など)
- 業務にあたりあった方がよい資格取得を目指す講座(例:司書、医療事務、など)
- 大学院、大学や専門学校などのでの単位取得や講義の受講
どんな講座が対象になっているかについては、厚生労働省が作っている一覧表や、「教育訓練講座検索システム」を調べてみましょう。
公開されている一覧を見ると、一般教育訓練の対象となる講座がいかに種類が多いか、よく分かりますね!
補助金額
受講費用の20%(ただし10万円まで)が訓練が終わってから支払われます。
【リスキリングのための支援制度4】リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
労働者がリスキリングを通じて、新たな分野へ転職するプロセスを支援し続ける事業です。
支援対象となるサービスや講座
例えば、下のような職業への転職が対象となります。
- プログラミングや、Webアプリ開発などのデジタル分野への転職
- 医療、介護や、福祉などのヘルスケア分野への転職
- 保育に関する分野への転職
- CADや通信設備技術などの技術職への転職
- ベンチャー企業への転職
他にも対象となる分野があります。
自分が転職したい職業がある方は、キャリアアップ支援事業Webサイトの右下にある「事業者を検索」ボタンか、サイトの下部にある「事業開始事業者を検索」から調べてみましょう!
引用:経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」
補助の内容
この制度では、個人は直接お金を受け取れません。
しかし、この支援を受けることで、次の3つのサービスを無料あるいは安く受けることができます。
- キャリアコンサルタントなどの専門家に、無料でキャリア相談ができます。
- キャリア相談の結果をふまえて、リスキリング講座を受講できます。支援事業を通じて、受講料が安くおさえられます。
- キャリア相談やリスキリング講座をふまえて、職業紹介などの転職支援を無料で受けることができます。
【リスキリングのための支援制度5】求職者支援制度
求職者支援制度は、再就職、転職やスキルアップをしたい個人が、毎月の給付金を受け取りながら職業訓練を受けることができる制度です。
ハローワークが訓練終了後まで、転職活動を手助けしてくれます。
支援対象となる訓練
職業訓練は、主なものとしては以下の分野があります。
- 基礎(ビジネスパソコンやオフィスワーク)
- IT(Webアプリ開発、AndroidやJavaプログラマー育成)
- 営業・販売・事務(OA経理事務や営業販売)
- 医療事務
- 介護福祉
- デザイン
他にも対象となる職業訓練があります。
詳しくは、求職者支援制度Webサイトの「主な訓練コース(求職者支援訓練)」や「訓練コース検索」から調べてみましょう!
例えば、「訓練コース検索」のサイトをたどると、下の画像のように調べることができます。
引用:厚生労働省ハローワークインターネットサービス 訓練検索
補助の内容と条件
条件を満たす受講者は訓練を受けている間、1ヶ月ごとに以下の給付金を受け取れます。
- 職業訓練受講手当が10万円訓練
- 施設に通うための通所手当が上限42,500円
- 寄宿手当が上限10,700円
ただし、給付金を受けるためには、以下の条件を満たさなければいけません。
- 本人収入が1ヶ月に8万円以下
- 世帯収入が1ヶ月に30万円以下
- 訓練の実施日は原則として全て出席する
これ以外に満たすべき条件もあります。
求職者支援事業Webサイトの「給付金の支給要件は?」をしっかり読んでおきましょう。
補助金や支援制度に申し込むときに注意すべき点
リスキリングや学び直しを進めたい個人向けの支援制度を5つ紹介しました。
気をつけて欲しいのは、この記事では、5つの支援制度のおおまかな内容に限って紹介したという点です。
支援制度に申し込むときには、補助を受けるための条件や必要な手続きを、しっかりと確認する必要があります。
それぞれの支援制度のWebサイトを自分で見て、条件や手続きを確かめましょう。
読んでみてもよく分からないなと感じたら、早めに相談するのが大切です。
支援制度によって相談する窓口は変わりますので、問い合わせ先には気をつけてください。
教育訓練給付金 (支援制度1〜3) | 近くのハローワーク |
リスキリングを通じた キャリアアップ支援事業 (支援制度4) | 問い合わせフォーム |
求職者支援制度 (支援制度5) | 近くのハローワーク |
おわりに
政府はリスキリングや学び直しへの後押しを強く進めています。
ここまで紹介した補助金や支援制度をうまく使うことによって、ほとんど費用を負担せず、リスキリングできるきっかけを得ることができます。
リスキリングの第一歩として、5つの支援制度のWebサイトを、まずは1つたどってみましょう!
※この記事の執筆にあたっては、Writing Hacksの添削を受けました。ありがとうございました。
もちろん、記事に残る誤りや誤字はすべて新居の責任です。
投稿者プロフィール
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大学での研究・教育活動を10年以上続けております。
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